下半身にしびれがあり、仕事などに集中できない50代男性の相談事例

 

患者情報:50代男性

 

【問診】

<お悩み>

下半身が痛むデスクワークの男性

腰まわりには今は痛みは無いが、右脚がしびれており、仕事などに集中できない

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

Q,痛みやしびれの症状はいつ頃からですか?

 

1年前から、卓球をした際に腰に痛みを感じるようになりました。

 

その後、数日してから右脚にしびれを感じるようになりました。

 

Q,どの部分にどんな痛み、症状があるかを詳しく教えて下さい。

 

しびれている部分は、右のお尻から右の太ももの外側、右ふくらはぎの外側、足裏のかかとの部分です。

 

仕事で長時間デスクワークをすると、右のお尻から太ももの外側がしびれてきます。

 

右ふくらはぎの外側は常にしびれている状態です。

 

足裏のかかとの部分はしびれより、痛みとして感じます。

 

Q,痛みに変化はありますか?

 

3週間前に腰痛が再発しましたが、2週間程でおさまっていきました。

 

ただ、腰痛がおさまった後も相変わらずしびれは残ったままです。

 

Q,どんな体勢が辛いですか?また楽な体勢はありますか?

 

座り姿勢が続くと、右のおしりから太ももにしびれが出ます。

 

横向きで寝ている姿勢が1番ラクに感じます。

 

また、腰を曲げる動作よりも、腰を反らす動作の方が痛みを感じやすいです。

 

Q,朝の寝起きの時に痛みが強くなったりしますか?

 

朝の寝起きから腰が痛く感じることはありません。

 

Q,整形外科等で治療されたことはありますか?

 

腰を痛めた1年前に、3カ月ほど整形外科で治療をしました。

 

その際は腰を引き伸ばす牽引治療や、指圧、低周波治療をしました。

 

整形外科では腰椎ヘルニアと診断されました。記憶が曖昧ですが、低い位置のヘルニアと言われました。

 

そこでの治療により腰の痛みは改善しましたが、しびれは残ったまま通院をやめてしまいました。

 

【検査】

腰痛やしびれの原因を調べるために以下の検査を実施しました。

<動きの検査>

腰の動きの検査

前屈をした際に、曲げはじめに右腰の筋肉の部分に痛みが出ました。

 

後屈をした際に、40°程曲げたところで腰の中心部に痛みが出ました。

股関節の動きの検査

腸腰筋という筋肉が緊張していることが疑われました。

 

外旋筋群という筋肉が緊張していることが疑われました。

骨盤の動きの検査

背骨と骨盤の動きの流れが悪く、骨盤を前に倒す動作に硬さがみられました。

背骨の動きの検査

特に異常はありませんでした。

<筋力検査>

・お腹の深部のインナーマッスルと呼ばれる筋肉が弱まっていました。

 

・お尻の大殿筋と呼ばれる筋肉が弱まっていました。

<神経症状の検査>

・上向きで寝てもらい腰椎を曲げた方向にストレスを加えた状態で、足の親指の筋力をみたところ、右側が弱い、陽性反応がありました。

 

・上向きで寝てもらい脚を片方ずつ上げていく検査では、陽性反応はありませんでした。

 

【検査結果から分かること】

椎間板

<腰痛、下肢の神経症状の分類>

今回の痛みは椎間板とよばれる腰椎の部分で神経が圧迫されて起こる椎間板性腰痛の可能性が高く、それが原因による下肢の神経症状であると考えられました。

<痛みやしびれの原因は?>

仕事内容がデスクワークな為、1日のほとんどを座った状態で過ごされます。

 

立っている状態で椎間板にかかる負荷を100とすると、座っている状態は150と立位の1.5倍もの負荷がかかります。

 

この負荷がかかり続けている状態で1日の大半を過ごしてきたことにより、椎間板に問題を起こした可能性が高いと推測しました。

 

また、検査から股関節を捻る動作での硬さが確認できており、この股関節の硬さも椎間板に負担を与えている要因と考えられました。

 

本来腰を捻る動作や腰を曲げる動作は腰椎のみ単独でおこなっているわけではなく、腰椎や骨盤や股関節など複数の関節の動きで成り立っています。

 

ただしこの患者様は股関節の動きが悪い為、腰を捻る動作を腰椎のみ頼っている可能性があります。

 

通常腰椎が回旋する動きの正常範囲は3~5°程と言われているので、この動作で股関節が動かない結果、卓球や日常生活の腰を捻る動作で腰椎に過度なストレスを与えたと考えられました。

 

【治療計画】

整体・指圧

<治療方針>

一般的に、1年以上神経の圧迫によるしびれがあったものは全て取り除くことは難しいと言われており、且つ膝よりも下に症状があるものも同様に予後が悪いと言われています。

 

この患者様の場合は両方に当てはまる為、症状の全快は難しくなってきます。

 

ただしお尻や太ももにあるしびれなどの神経症状は比較的緩和させやすいので、まずはその辺りの改善を狙っていきます。

 

具体的には、指圧や電流治療です。

 

ただ単に痛む所に治療をしても効果は薄い為、腰椎にストレスを与えてしまっている原因の、股関節の筋肉の柔軟性を高める事が最も重要となります。

 

また、日常生活での負担が強く椎間板にストレスを加えている状態だと、治癒に時間がかかってしまいますので、自宅でのセルフケアとして腰椎を伸ばすストレッチを指導しました。

<治療のゴール設定>

仕事中に痛みにくい体にすることを目標とします。

 

膝よりも下にある神経症状については、治療してみないと症状が改善するかどうかが分からない状況であることをお伝えしました。

<治療期間、頻度>

1カ月、週2回の施術を提案しました。