教師をされており、特に歩いているときに腰が痛い50代女性の相談事例

安田

 

患者情報:50代 女性

 

職業:臨時教員

 

【問診】

<お悩み>

 

教室

 

腰の痛みが段々と強くなってきている。

 

<患者様からお伺いしたこと>

Q,痛みはいつ頃からですか?

 

かなり前からです。

 

Q,具体的にはどの部分に、どんな種類の痛みが出ますか?

 

腰の右側に痛みがでます。

 

痛みの種類としては、引っ張られるような痛みです。

 

Q,痛みの出るきっかけのようなものはありますか?

 

特に思い当たりません。

 

Q,どんな動作をした時に痛みがでますか?

 

30分ほど歩いている時に、腰を前に曲げると痛みます。

 

と、イスに座ると痛みは出ませんが、地面に座ると痛みが出ます。

 

Q, 足にしびれのような症状はありますか?

 

特にありません。

 

Q,朝一番で痛みが強く感じたり、また足がよくつるようなことはありますか?

 

どちらも特に思い当たりません。

 

Q,過去にも腰の痛みでお悩みだったことはありますか?

 

何年か前に長時間しゃがみこみながらペンキ塗りをしていて、次の日に腰が動かせない程の痛みが出た事があります。

 

ギックリ腰ではないと思います。

 

Q,これまで整形外科や整骨院等で治療されたことはありますか?

 

いえ、特にありません。

 

何年か前の腰の痛みが出た時は、自宅にあった冷湿布を患部に貼って、それで症状は和らぎました。

 

【検査】

腰に症状が出ていますので、腰の動きと下半身の神経症状の検査を行いました。

<動きの検査>

腰の動きの検査

腰を前に曲げる動作(前屈)をした際には、前に曲げた状態から戻す時に右腰に痛みが出ました。

 

腰を後ろに反らす動作(後屈)をした際には、腰を反らし切ったところで右腰に痛みが出ました。

 

腰を左に倒す動作(左側屈)をした際には、倒しきった時に右腰に痛みが出ました。

股関節の動きの検査

股関節の前の筋肉(腸腰筋)の動きを見る検査を行いました。

 

動きの正常範囲は45度ほどですが、今回の患者様は35度ほどの動きしかなかった為、股関節の硬さが見受けられました。

 

さらに股関節の右側の動きの検査の際に、右腰に痛みが出ました。

<神経症状の検査>

仰向けの姿勢から股関節を曲げていく検査(SLRテスト)を行いましたが、両足共に硬さはみられませんでしたが、右側の検査時に右腰に痛みが出ました。

<筋力テスト>

・足の親指の筋力をはかる検査では、問題はありませんでした。

 

・お尻の筋力が低下していました。

<その他のテスト>

・筋肉などの硬さをみる検査では尻上り現象が強く見られた為、腸腰靱帯と呼ばれる靱帯の動きがかなり悪くなっていると見受けられました。

 

【検査結果から分かること】

 

椎間板性腰痛

 

<腰痛の分類>

今回の患者様の腰痛は、神経症状を調べる検査に異常が見られたことを考慮して、腰椎の椎間板に問題がある椎間板性腰痛症と判断しました。

<椎間板性腰痛の原因は?>

患者様は教師(現在は退職してパートとして1日5時間勤務)をしておられ、仕事上、1日の中で立っている事、歩いている事が多いということです。

 

特に歩いている時に、腰椎に負荷がかかっていると考えました。

 

検査で見られた、強い尻上り現象の原因となっている腸腰靱帯の動きが悪くなっている事により、この腸腰靱帯がくっついてる部分である腰椎が、歩行時の骨盤に動きに合わせて強く引っ張られてしまっている状態でした。

 

そのため、腰椎に過度な負荷がかかってしまっている事が今回の症状の原因である考えられました。

 

【施術計画】

 

腰の整体

 

<施術方針>

患部の指圧に加えて、動きの悪い腸腰靱帯に指圧施術を行い、その動きを良くしていき、腰椎にかかっている負荷を減らしていきます。

<施術の目標設定>

痛みが強すぎない今のうちに施術を行い、趣味探しに集中出来るようにしていきます。

<施術期間、頻度>

1ヶ月間、週2回の施術を提案しました。

 

【まとめ】

この患者様は、腰の、特に右側の痛みでお悩みでした。

 

仕事上、立っている姿勢や歩いている姿勢が多いことに加えて、腸腰靭帯という靭帯の動きの悪さが痛みの原因となっていました。

 

体は筋肉や骨など様々な部分がつながり、関連しています。腸腰靭帯も、背骨の腰部分である腰椎につながっている靭帯で、この靭帯の動きが悪いと腰椎が引っ張られ負担が過剰にかかってしまいます。

 

特にこの患者様が発症した椎間板性腰痛は、背骨と背骨の間にあるクッションの役割をする椎間板に問題が発生することで起こり、腰椎にかかる負担が大きく、長期にわたっていたことが伺えます。

 

一度椎間板を痛めてしまうとそれをもとに戻すことは出来ませんが、その部分にかかる負担を軽減することで痛みを抑え、症状の再発や悪化を防ぐことが出来ます。

 

椎間板性(ヘルニア)と診断されたことがある方は、ご自身の椎間板にかかる負担の原因をしっかりと見極め、体に向き合っていくことが非常に大切です。

 

この患者様も、問題である腸腰靭帯の動きが改善され、正しく体を使えるようになれば、痛みに悩まされることはなくなるでしょう。

 

今後も経過をしっかりとみていきます。