★現場仕事とデスクワークで日常的に腰へのストレスが強い40代男性の相談事例

安田

 

 

患者情報:40代 男性

【問診】

<お悩み>

腰に痛みがあり、右足に痺れの症状がある。

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

Q,腰の痛みはいつ頃からですか?

 

症状が出だしたのは、数年前からです。

これまでもたびたび腰痛を繰り返していました。

 

Q, どんな動作をした時に、どんな種類の痛みが出ますか?

 

座っている体勢から立ち上がる動作、歩いている時に腰にピリッとした痛みがでます。

 

Q, 辛い体勢、楽になる体勢はありますか?

 

座っていると腰がだるいです。前屈みの状態で痛みがましになり、後ろに反ると逆に痛みが増します。

あと、コルセットしていると楽に感じます。

 

Q,痺れはどこに出ていますか?またそれはいつ頃からですか?

右足の膝上までに痺れがあります。

痺れはここ2~3週間でひどくなってきています。現在は常に痺れている感じがします。

 

Q, 朝起床時に痛みが増したり、足がよくつることはありますか?

 

朝一、起きた時から腰がしんどいです。

足をつる事もあります。

 

Q, これまで整形外科や整骨院等で治療を受けられたことはありますか?

 

はい、他の整骨院で低周波治療と矯正を受けていました。

あとは、整体院でマッサージを受けていました。

でも整骨院や整体院の治療でその場では楽になっていましたが、すぐに痛みが戻っていました。

 

【検査】

症状の原因を探るため、腰の動きの検査、筋力検査、神経障害を調べる検査を行いました。

 

<動きの検査>

・腰の動きの検査:

腰を前に曲げる動作(前屈)では、問題はありませんでした。

腰を後ろに反らす動作(後屈)と腰を横に倒す動作(側屈)では、ともに動き出しで腰に痛みが現れました。

 

・股関節の動きの検査:

股関節の前の筋肉(腸腰筋)の動きの検査では、正常であれば45度ほど動きますが、今回の患者様は右:20度、左:15度ほどの動きしかなく、股関節の硬さが見受けられました。

股関節の後ろ側の筋肉(外旋筋群)の動きの検査では、こちらも正常であれば45度ほどの動きがあるのに対して、右:20度、左:15度の動きしか見られませんでした。

 

<神経障害を調べる検査>

・仰向けの姿勢から股関節を屈曲させていく検査(SLRテスト)を行いましたが、左側に抵抗感があり、左のお尻に痛みも出現しました。

 

<筋力検査>

・足の親指の筋力には問題はありませんでした。

・お尻の筋力の低下が見られました。

 

<その他の検査>

・尻上り現象が見られた為、腸腰靱帯と呼ばれる靱帯の動きが悪くなっていることが分かりました。

 

【検査結果からわかること】

 

<腰痛の分類>

 

今回の患者様の痛みは、神経障害を調べる検査での結果などから、腰椎の椎間板に問題がある「椎間板性腰痛症」が疑われます。

 

<椎間板性腰痛の原因の分析>

患者様のお仕事は現場仕事とデスクワークが主な内容です。

現場仕事の時は20~30kgの重たい荷物を持ち上げる動作が多く、デスクワークの時は1日8時間程の座った状態が続くそうです。

このような仕事内容から、日常的に腰へのストレスが非常に強いと考えられました。

普通、腰を曲げる際に腰・骨盤・股関節で負担を分け合って動作を行いますが、その中で動きの悪い、筋力の弱い部分があると、結果的に他の部分でその分の負担を負うことになります。

この患者様の場合、股関節の動きが非常に悪いことから、重い荷物を持ち上げる時に身体の前後屈の動作で腰に過剰に負担がかかりやすく、腰へのストレスを増加させている要因となっていると考えられました。

 

【施術計画】

 

<施術方針>

患部に対する指圧での施術に加えて、股関節の動きを良くする為に腸腰筋、外旋筋群の筋を緩めて動きを正常に戻していきます。

さらにフレクションベッドを用いて腰椎の運動療法を行っていきます。

 

<施術の目標設定>

痛みの無い、数年前の身体に戻すことを目標にしました。

 

<施術期間、頻度>

股関節の可動が非常に悪い事と、仕事を含めた日常生活動作での腰への負荷が強い為、1ヶ月間、週2回通院ペースでの施術を提案しました。

 

【施術経過】

 

施術3回目まではその翌日には腰の痛みが少し戻る状態で、股関節の動きにも大きな変化は見られませんでした。

施術4回終了後、痛みが大きく減少し、さらに戻りにくくなりました。

施術5回終了後では、現場仕事で重い物を頻繁に持ち運んでも腰の痛みがほとんど無い状態へと変化しました。初診時の痛みの度合いを10とすると、10→2にまで減少しています。

さらに腸腰筋、外旋筋群への指圧施術の繰り返しにより、股関節の動きは施術前であっても左右共に35度ほどまで改善が見られています。

 

【まとめ】

 

今回の患者様は、数年前から腰の痛みと痺れでお悩みでした。

詳しく検査を行ったところ、特に神経障害を疑う検査結果が得られ、また股関節の動きが非常に悪いことが分かりました。

この検査結果から、この患者様の症状の原因は「椎間板腰痛症」によるものであると考えられました。

大きく分けると、腰痛には筋肉が凝り固まって起こる筋膜性の腰痛と、腰椎の中にある椎間板がずれたり飛び出したりすることで神経に触り、痛みやしびれが現れる椎間板性の腰痛があります。

この患者様の場合も、仕事での現場仕事とデスクワークという環境と、股関節の動きが悪かったことで、腰椎へ過剰に負担がかかってしまっていました。

 

そのため、患部の痛みを直接抑える施術に加えて、股関節の硬さの原因でもある腸腰筋と外旋筋という筋肉に指圧を行い、改善を促しました。

現在のところ経過は順調で、ほぼ痛みもなく、動きも正常に戻りつつあります。

腰への負担が多い仕事上、痛みが再発しないように今後もサポートしていきます。