1日8時間以上のデスクワークを十数年間続け、腰痛にお悩みの50代女性の相談事例

安田

 

患者情報:50代 女性

 

【問診】

<お悩み>

太もも 痛み

腰が痛くて右足に力が入らない。

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

Q,症状はいつ頃からですか?

 

数カ月前から症状が悪化しました。仕事もここに来るまで休職しています。

 

Q,症状について詳しく教えて下さい。

 

腰から右のお尻、右のふとももに痛みがあります。

 

そのためか、右足の力が入れづらく、歩く際には引きずって歩くような状態で、歩くこともままなりません。

 

右足に冷たいような感覚もあります。

 

あと、膝下にも痺れのような違和感があります。

 

Q,症状がでるきっかけで思い当たることはありますか?

 

悪化する前日に、2時間立ったままの状態を続けていました。

 

Q,どんな動きで痛みが増しますか?

 

前屈で腰の痛みが増します。逆に反らせると楽になります。

 

Q,楽な体勢、辛い体勢はありますか?

 

立っていると楽に思います。座っていると腰がしんどくなるので、ここ最近は1日の大半を寝て過ごしています。

 

Q,朝一番で痛みが増したり、足がつることはありますか?

 

どちらも特にありません。

 

Q,これまでに腰を痛められたことはありますか?

 

これまでも腰の重さは感じていたが、治療はしませんでした。ギックリ腰になったこともありません。

 

Q,今回の腰の痛みで整形外科や整骨院を受診されましたか?

 

はい、整形外科を受診して、坐骨神経痛と診断されました。

 

ヘルニアと脊柱管狭窄症ではないと伝えられました。

 

痛み止めと湿布を処方されましたが、症状に変化はありません。

 

Q,お仕事はどんな内容ですか?

 

数十年間、デスクワークを1日8時間以上行っています。

 

【検査】

腰の動きの検査、筋力検査、神経症状を調べる検査を行いました。

<動きの検査>

腰の動きの検査

腰を前に曲げる動作では、60度程まで動き切った際に腰から右のお尻にかけて痛みが出ました。

 

腰を右側に倒す動作でも動き切った際に右の腰に痛みが出ました。

 

腰を後ろに反らす動作では問題はありませんでした。

 

股関節の動きの検査

股関節の前の筋肉(腸腰筋)の動きの検査を行いましたが、正常であれば45度ほど動きますが、35度の動きしかありませんでした。

 

股関節の後ろ側の筋肉(外旋筋群)の動きの検査も行いましたが、こちらも正常であれば45度ほど動きますが、右側が25度の動きしかありませんでした。

<神経症状を調べる検査>

・仰向けの姿勢で股関節を曲げていく検査(SLRテスト)を行いましたが、右側に抵抗感があり、右の太ももの前の筋肉(大腿直筋)に張りが現れました。

<筋力検査>

・足の親指の筋力に問題はありませんでした。

 

・お尻の筋肉の筋力が低下していました。

 

・深部の筋肉であるインナーユニットの筋力も低下していました。

<その他の検査>

・尻上り現象が少し見られた為、腸腰靱帯と呼ばれる靱帯の動きが多少悪くなっていることが見受けられました。

 

・座っている際に、骨盤が後傾していました。

 

【検査結果から分かること】

椎間板性腰痛の説明

<腰痛の分類>

今回の患者様の痛みの原因としては、神経症状を調べる検査に異常が見られたこと、また足の痺れの症状を考慮して、腰椎の椎間板に問題がある椎間板性腰痛症が疑われました。

 

<椎間板性腰痛症の原因の分析>

患者様は1日8時間以上に及ぶデスクワークを十数年間続けておられます。

 

日常的に長時間座っている姿勢であることの影響から、腰にストレスがかかりやすい生活環境にあると考えられました。

 

さらに座っている時間が長い為、お尻の筋肉(殿筋)の低下が著しい状態です。

 

それに加えて座っている際に骨盤が後ろに倒れてしまう姿勢の悪さが見受けられ、その原因はインナーユニットの筋力低下により骨盤が立てられなくなっているためと考えられました。

 

これらの筋力が安定して腰を支えられていないことが今回の腰の症状に繋がっていると結論付けました。

 

【施術計画】

<施術方針>

患部への指圧施術に加えて、インナーユニット、お尻の筋肉に対して電気療法を使って筋力をしっかりとつけていきます。

 

さらにフレクションベッドを用いて腰椎の運動療法を行っていきます。

<施術の目標設定>

座っている時の腰のしんどさを無くす事を目標とします。

<施術期間、頻度>

インナーユニットとお尻の筋肉が低下していることと、仕事を含めた日常生活動作からの腰への負荷が強い為、3ヶ月間の期間で、週2回の通院ペースでの施術を提案しました。

 

【症状経過】

股関節 動き 確認

初回施術終了後、右側の股関節(外旋筋群)の動きが25度から30度まで改善し、さらに痛みの感じ方としては初診時の痛みの度合いを10とすると、10→3にまで軽減していました。

 

院からのお帰りも歩行しやすいように見受けられました。

 

その後、痛みの感じ方としては4日後の2度目の来院時でも改善されたままの状態が維持できていました。

 

股関節の動きも30度の動きがあり、仕事にも復帰することが出来ました。

 

7回の施術終了後、腰から右のお尻の痛みはほぼ感じることはなくなり、右の股関節の動きも35度~40度の間まで改善しています。

 

膝のすぐ下の痺れと、右足の踏み込みにくさは軽くなってはいますが、まだ症状は残っているため、継続して施術を行っています。

 

【まとめ】

この患者様は、仕事も休職せざるを得ないほど、腰の痛みやしびれ、更には歩行困難でお悩みでした。

 

整形外科では痛み止めや湿布といった処方しかされず、症状も改善しないまま不安な日々を過ごしておられました。

 

詳しく検査したところ、特に神経症状が強く現れていることなどから椎間板性の腰痛症であると考えられました。

 

この背骨と背骨の間でクッションの役割をする椎間板に異常があって腰痛が起こる椎間板性腰痛症。

 

今回の場合、背骨を支えるべきお尻やインナーマッスルの筋力が弱く、更に仕事での座っている姿勢が長時間にわたり、かつその座っている姿勢も悪かったことで腰椎にかかる負担が非常に強かったことが原因で起こったと考えられました。

 

そのため、患部への施術だけでなく、低下している筋力をつけ、しっかりと背骨を支えられるような体を作って行く施術を行いました。

 

また、筋力をつけるとともに、筋力のなさゆえの姿勢の悪さや関節の動きの悪さにも改善をかけることで確実に症状は収まっていきました。

 

現在痛みはほぼない状態が維持できており、筋力や関節の動きにも大きな改善が見られています。

 

今後はしびれなどの神経症状が少しでも改善するように施術を続けていきます。